ペアガラス(複層ガラス)は防犯性が高い?高める方法や注意点も
ペアガラスはガラスが2枚重なっていますから、防犯性能がありそうですよね。
実は、ペアガラスに防犯性能はありません。
しかしながら、特定のアイテムを使用することで防犯性能を高めることは可能です。
そこで今回は、ペアガラスの防犯性能を高める方法や注意点などを紹介します。
本記事のポイントは3つ。
・ペアガラスと防犯ガラスの違い
・ペアガラスの防犯性能を高める方法
・ペアガラスの防犯性能を高める際の注意点
できるだけ分かりやすく紹介しますので、最後までお読みいただき参考にしてください。
ペアガラス(複層ガラス)は防犯ガラスと何が違う?
ペアガラスと防犯ガラスの違いについて、その特徴も交えながらお伝えします。
そもそもペアガラスとは?
ペアガラスとは、普通のガラス(フロートガラス)を2枚重ねたガラスのことです。
2枚以上のガラスの間に中間層を作ることで、断熱や結露防止などの効果があります。
つまり省エネに貢献してくれるのが、ペアガラスです。
ペアガラスには防犯性能がない
上記でもお伝えした通り、普通のガラスを重ねているだけですから、防犯性能は一切期待できません。
ハンマーやドライバーを使えば、簡単に割れてしまいます。
警察庁のデータによると、侵入までの時間が5分をすぎると7割が諦め、10分が経過するとほぼ全員が諦めるようです。
ペアガラスでしたら1分も耐えることが難しいので、データ上も防犯性能が低いと言わざるを得ません。
引用:住まいる110番|警察庁
防犯ガラスとは
防犯ガラスとは、2枚のガラスの中間に特殊な膜が入っているガラスのことです。
例え1枚目のガラスが割れても、中間膜がなかなか破れませんから、侵入を防ぐことができます。
こじ破りと打ち破り、それぞれに基準が設けられており、クリアしたガラスにはCPマークが貼られます。
ペアガラス(複層ガラス)の防犯性を高める方法とは?
ここからは、簡単かつ安価で防犯性能を高める方法をお伝えします。
防犯ガラスに交換
ペアガラスの防犯性能を上げる方法として、一番早いのは防犯ガラスに交換すること。
費用的には高くつきますが、そもそも窓ガラスは何度も変えるものではありませんから、思い切って交換するのも一つの方法です。
防犯フィルム
現在使用しているガラスの上から防犯フィルムを貼る方法です。
窓全体に貼ることもできますし、逆にクレセント錠の周辺だけ貼るタイプもあります。
価格は、1㎡あたり22,000円~28,000円。
インターネットサイトやホームセンターで購入可能です。
雨戸やシャッター
雨戸やシャッターがあるご家庭でしたら、不在時に必ず閉めておくことで、ペアガラスでも防犯性能が向上します。
雨戸やシャッターがない場合は取り付けることも可能ですが、そうすると防犯ガラスに交換したほうが費用的に安く済みますから、ほぼ無意味ですね。
ペアガラス(複層ガラス)の防犯性を高める際の注意点
前項ではペアガラスの防犯性を高める方法をお伝えしましたが、いくつか注意すべき点がありますので、参考にしてください。
熱割れに注意
ガラスの中心部と端で温度差が生じ、その負荷がガラスの強度を超えると起こる現象が熱割れです。
例えば、真冬に晴れた場合、ガラスの中心部は温かくなりガラスが膨張します。
一方で陰になっている部分は冷たいままですから、温度差が大きくなりますね。
その差が強度を超えると、ヒビや割れが発生する仕組みです。
ペアガラスは中間に空気やガスを含んでおり、より温度差が出やすいガラスとなっています。
さらに、防犯フィルムを貼ることで室内外の温度差が大きくなり、熱割れを起こしやすい状態となります。
CPマーク
防犯性能の高いフィルムに貼られているのがCPマーク。
ペアガラスに防犯フィルムを貼るのでしたら、CPマークが付いた製品にしましょう。
CPマークを貼ることができる条件は以下の通りです。
・フィルムの厚みが350㎛以上
・厚み5㎜以上のフロートガラスおよび3㎜厚複層ガラス
・3㎜厚複層ガラスに施工できる製品(フィルム)は、該当する性能評価試験に合格したもの
・防犯フィルム施工技能者(国家検定技能士)が施工すること
・接着剤には、日本ウインドウ・フィルム工業会が指定したものを使用
つまり、技術力が高い技能者が確実な製品を取り付けるということです。
まとめ
本記事で紹介した通り、ペアガラスには防犯性が無いことは明らかです。
現在では、省エネ効果も期待できる防犯ガラスも多数発売されています。
もし、防犯性能を高めたいと思われた方は、フィルムではなく防犯ガラスへの交換をおすすめします。